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新・のんき大将のごたく from 川口義之


2004年12月21日(火)う〜む

明日から2日間長丁場のリハがありまして、
それに向けてやってみたい曲のCDを探しに、
久しぶりにレコード屋さんに行ってみた。
4件廻って何とか見つけまして明日午前中に
それの譜面起こしなんかをしたいところなんだけど、
あんまり久しぶりのレコードハントなんで盛り上がって
疲れてしまった。これまた久しぶりに音楽雑誌なんて
買ってみたりして。毎年一応これだけは買ってみるの
ですがベストアルバム2000〜みたいな特集。
ここ10年ほどの間は全く知らないバンドと30年前から
常連の人たちが並び立っているのは相も変わらず。
しかしなんですな、このお偉いさんたちはいったい何枚の
アルバムを聞いた中から選んでいるのでしょうかな?
1日3枚のアルバムを聞けば1年に1000枚は
聞けますよね。
プロなら3000枚以上は聞いている筈でしょう。
それにしては随分の偏りを感じざるを得ない。
自分の関わっているもの、友人たちの作品、
そうでないもの引っ括めての感想です。
もしくは、あるコーナーでは絶賛されているバンドが
別のコーナーでは全く無視されていることなど見るにつけ、
悲しい気持ちになりますな。全く持って個人のその日の
気分で評価されているのだな。個人の集まりがマスなのだと
開き直られたらそれまでですが。
コミケなんかの仲良し5人組が今年のベストはこれ!って
言ってるのと同じレベルの勢いと客観性の無さを感じる
のです。否定しているわけではないですよ。勢いは重要です。
それに、この人のいいっていうものなら買ってみよう、
なんていう贔屓のライターさんもいますよ。
でも全般的に見て、やっぱりお金を払って何を買ったら
いいかなあ?って迷っている人に対して優しくないと思う。
そもそも大メジャー以外はどうせそんなに売れないので
あれば、もっとこんないいものもあるよ、っていう
提示を積極的にするべきじゃないかな。
プチメジャーみたいなちょうちん記事は必要ないと思う。
コンサート評やその宣伝もそうだが、7、8000円払って
まあまあよかったな、なんてものを見たくはないのだ。
今月はこっちにしようかそれとも、なんて迷った末に見た
ライブが中途半端では困るのだ。
特化された音楽雑誌しか買う気が無くなったのは最近の
ことではない。興味ある特集によって左右されるのは当然。
しかし、わたしが若いころには、この音楽の海の中で
灯台のように次の行き先を示唆してくれるような
勢いを感じられる本がいくつもあったように感じる。
毎月その雑誌を買ってはこんなことが今起こっているのか!
なんてワクワクしたものだ。
いやたぶんそんな雑誌がわたしの知らないところで
生まれてるんだろうな。
だれか教えてくれないかな。
今の音楽リスナーの方々はもっと頭の良い情報収集を
しているのだろう。実際に試聴できる場所も多いし。
そして具体的にお金に関わる方々が書いた文章がもっとも
信頼できる気がする。大手外資系のレコード屋さんの
CD一言紹介には愛を感じます。頑張って下さい。

真剣に長い時間かけて作った作品を、
こんなのお遊びだねの一言で片づけたり、
インディーズ時代には再三取りあげておきながら
メジャー発になったら一言も触れない皆様。
なんだか一足飛びにプロデューサーさまになってしまう人。
そんな神様みたいな行動はおやめなさい。
音楽を作る人間と同じ程度には一生懸命やろうよ。

ちょっと子供っぽいですか?
久しぶりのレコード屋で20代の頃の気持ちに一瞬
戻ってしまいました。
そんなつまらない音楽状況を引っくり返したくて
東京に出て来て20年強。
いったい自分が何をしたいのかがわからなくなりつつあります。

[link:82] 2004年12月23日(木) 04:18


2004年07月21日(水)五日間を振り返る

いやあ、始まっちゃえば終わるものですね。
事の始まりは、わたしが10周年を迎えるに
あたり、ライブをやりたいと言い出したことで、
それもマンダラ2で5日間はどうだ!と大風呂敷
ひろげたことからすでに、事態の混迷は目に
見えていたわけです。

わたしは、自分が演奏するよりも人の演奏や
舞台や、出来事を見ているほうが好きな性質で、
ここんとこ、ある規模以上の場所で、
そこに見合っていない内容の出し物を見ることに
絶えられなくなってきていました。

あえて名指しで書きますが国際フォーラムで見た
ブライアン・ウィルソンや東京ドームのストーンズ、
文化村オーチャード・ホールで見たリッキー・リー・
ジョーンズ。古くは、サントリーホールの
ティト・プエンテとセリア・クルーズ、
奇しくも先日栗コーダーで演奏した人見記念講堂
で見たライ・クーダーとデビィッド・リンドレー
など、音楽のディテールがまったくわからない
それは音楽ファンにとって最悪の空間でした。

もちろん、一番前の席で見ていた人には極上の
空間だったでしょう。招待席で優雅に観劇の評論家さま
のライブ評も問題なし。でも、それってどうなのか?

アコースティックな内容なものを馬鹿でかい
会場で、中途半端な音響システムで行うこと。
それは、いったい誰のためのものなのか?
ある程度集客を見込まないと採算が取れないのは
我々規模のライブでも同じだが、無理にも
限度があるだろう。
せめて自分たちで行うライブでは快適にいきたい。
それが目標だったわけです。

今回は座席数を70に限定してみました。
5日間行うことにより、見ることに対して
ちょっと頑張る人にはすべてチケットが行き
渡ることを目標にしてみました。

わりと開催日近くなってから欲しくなる人も
いるだろう。
追加販売を7月にはいってからにしてみた。

子供と一緒に見たい人もいるだろう。
そんな日も作ってみた。

当日にならないと、どうにも予定の組めない
人もいるだろう。
当日券を出すために前売りを少なめにしてみた。

そんな細かい工夫をしていくことに莫大な時間
を費やしてみた。
多分マンダラ2にひと月のうち15日くらいは
通ったかもしれない。

細かい打ち合わせのための通信費は数万円にも
なった。でもこれは自分が、こんな環境でライブ
を見たかったという、理想を実現するためには
やむ終えない代償だと感じていた。

ひとつ問題があったとしたら、本来演奏を
しっかりするために使うはずだった時間を消費
してしまったこと。

ライブの当日までには、いろいろな出来事が
変化していった。

映画クイールのヒットによって、テレビ番組の
出演が決まり栗コーダーのリハーサル用の時間
に食い込んできたこと。

映画クイールのヒットによってベスト盤発売の
話が持ち上がり、その製作のために莫大な時間
が必要となったこと。

10周年用のグッズを作ろうということになり、
楽譜集を作るために莫大な時間と労力が必要に
なったこと。

わたしが、5日間のライブを利用して、
ライブ録音をしたいといいだしたこと。

さらに、わたしが映像を残したいということで、
撮影班を会場に導入したこと。
この二つが緊張を呼ぶんだよなあ。

さまざまな要因によって、なんだか
いつものように中途半端な演奏と、
案外しっかりした演奏の混在する定番の内容と
なってしまった。

毎日深夜まで楽しく打ち上げもしてしまったし。
(毎日やってくるゲストの方が楽しくってね)
毎日疲れが溜まっていくのが、はた目にもわかったそうな。
実はわたしは自分では気付かなかったんですが。

ドキュメントとしてはかなりのものが
披露されたように思う。
こんなに喜怒哀楽がステージに現れることも
めずらしい。

4人の世の中に対する立ち位置までが浮き出てくる
ような映像が焼き付けられただろうか。
ビデオだから焼き付けられないんだけどね。

8月9日は、我々にしては丁寧な演奏が
披露されることになると思いますよ。

次回は本番直前まで招待者リストの確認を
したりなんてことはしないで、演奏に集中
するつもりですので。

毎日のゲストのみなさんにも諸連絡など、
段取りが悪かったと思います。
いくつか指摘もされました。
反省しております。
マネージャーなどいないことを言い訳にしない
明確な進行をめざしていながら、申し訳ないです。

でもいくつか収穫はありました。
あまりの忙しさにスタッフ募集をしてみたら、
いい感じの方々が集まりました。
お酒の好きな人も増え、打ち上げが更に盛り上がってます。
そして、イトケン、寒空はだか、
酒井家のみなさん、エンジニアの小俣さん、
撮影の岩下さんたち、マンダラ2の店長中野さん、
浅井くんを中心としたみなさんの、
自主的な協力などに助けられ。
感謝の気持ちでいっぱいです。

たぶん、来年以降はまたいつものなんとなく
やってるんだか、やってないんだかっていう
ペースに戻ると思うんだけど。
この5日間を中心とした出来事による財産を
大事にしながら次の10年をすごしていきたいと
考えております。

[link:81] 2004年07月23日(金) 14:53


2004年07月14日(水)いよいよ5で伊豆

いよいよ明日から5で伊豆。
デイズってかき込んでで伊豆って変換されるの、
そろそろなおんない仮名ア。
5.1周年の本を作っているころは
人に頼んで手書きの原稿を打ち直してもらっていたことを
思えば、ずいぶん進歩したものだ。
予想通りともいえるが、曲の練習をするよりも
当日に向けての段取りを進めることに、多く時間が割かれてる。
図らずも、また今回もいい感じのを演奏残してしまうことに
なるのか!
ざっと数えて150〜200曲の過去のレパートリーから
どの程度披露できるのか!
今日は最後のリハです。
車が壊れたのでバスを乗り継いで出かけなければ。
とても都内から都内への移動とは思えませんな。

[link:79] 2004年07月14日(水) 11:58


2004年05月03日(月)ロックン・ボウル

前回はバスで向かったのだが、タッチの差でバスが
発車してしまったので試しに、近くの停留所にやっ
てきていた新しくできた赤いトラムを使って移動し
てみる。

カールトン・ストリートの交差点で下車、テューレ
ーン・ストリートまでは徒歩で7〜8分ってとこか。
先ほど乗り損なったバスに丁度出くわしたので、
そんなにロスはなさそうだ。これって自分に対する
メモだな。誰か次回ニューオリンズに行かれる方が
いたら参考になるかな。よく見かけるニューオリン
ズの地図上ではカナルに沿って縦に長く走るこのト
ラムは昼間に乗ったらなかなか景色が良さそうだ。
つり革が新品のグローブのような質感で気持ちがいい。

昔からあった緑のトラムもなかなか風情のある地域を
走ります。ガーデン・ディストリクトって言われる古
い住宅地のあたりはとくによいのです。その付近に
ユース・ホステルがあったりもして個人旅行者には
わりと馴染みの場所かもしれない。
私はフレンチ・クォーター近くに定宿があるのでそち
らに泊まります。18年前のマルディグラの時期に初
めてニューオリンズにやって来た際もここに泊まった
ので、妙に安心感があるんだな。

同様に来ると安心する場所が幾つかあって、もちろん
有名なフレンチ・クォーターのカフェ・ドゥ・モンド。
池袋なんかにも支店のあるドーナツ屋さんね。
ジャズ・フェスの会場にも支店があります。
それと地元のレコード屋さん、ルイジアナ・
ミュージック・ファクトリー。
ジャズ・フェス期間中はイン・ストアライブを一日中
やってます。ディケイター通りの有名なハウス・オブ・
ブルースってライブハウスの向かい。

昔はレコード・ロンズ(Ron'sね)
なんていう味わい深いレコード屋さんもあって、
観光用の馬車にもその看板が書かれていたものです。
マジック・バスっていうそこに似た雰囲気のレコード
屋さんを発見したので時間があったら寄ってみよう。
日本にいるときは、ほとんどレコード屋さんに行かな
くなりました。あまりわくわくしなくなっちゃったな。
CDの大きさが好きじゃないんだろな。ドーナツ盤の大
きさは大好きなのにな。

好きなレストランやカフェが他に幾つかありまして、
どこが落ち着くかってやはりロックン・ボウルだな。
それが何かってはなしを書く前に疲れてしまった。

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[link:78] 2004年05月04日(火) 01:44


2004年05月02日(日)フェス5/1

さて5/1土曜日のジャズフェスです。
雨が上がって快適なコンディションといいたいところ
だが、ところどころぬかるんでいて注意が必要。
一日分を取り戻そうってわけではなかったのだが、
いつもより早めに会場入りしてみた。11時くらいに
各テントの最初の出演者の演奏が始まるのだが、
ちょっと気になる女性歌手がいたので覗いてみる。

普段は毎週リッツ・カールトンでショウを開いている
らしいKarin Willams さんは初めてのアルバムが出た
ばかりのたぶん美人ジャズシンガーって、
肩書きになるんだろなあ。ピアノ、サックス、ドラムス
ときどき参加のパーカッション、エレキのガットギター
というブラジル系の楽曲まで視野に入れた編成だったが、
実に安定したバッキングに乗せて気持ち良さそうに歌って
いるその姿はジャズ・フェスに来てるんだなあってムード
を盛り上げるにはベストか。
昔のジャズ・フェスの映画見てる気分にもっとも近い。

真夏の夜のジャズを見たときにチャック・ベリーが
みごとに異彩を放っていたが、
ゲイトマウス・ブラウンのステージはそれに近い雰囲気
を味わえる。人に媚びないムードもまた似てるのかもね。
相当な年だと思うが素晴らしい演奏だ。
昨年も同じブルース・テントで見たし、地元のレコード
屋さんのインストアライブも凄い人混みの中で拝聴した。
その数年前も同じジャズ・フェスの時期にライブハウス
に出かけてフルステージ堪能した。もちろんすごく前の
日本初来日も見てます。
つまりわたしのフェイバリット・ミュージシャンだって
ことを言いたいのだ。

いかん、昨日のトリの出演者のことを書いたら終わって
しまうな。
本当はその間に10組ほどの出演者をはしごして、その
間に牡蛎を食べたりザリガニとパスタのクリーム煮や、
ちょっと辛めでもちもちしておいしいジャンバラヤを
食べたりもしていた。

デイヴ・ブルーベックもサンタナも素晴らしかった。
が同じ時間帯に良い出演者が、固まってしまうので、
双方の代表曲を聞くこと無くテントを移動してしまった
のが残念。いやあ残念。ブラインド・ボーイズ・オブ・
アラバマに至っては、会場が混んでいたのに嫌気が
差して、完全に端折ってサンタナのステージ方面に
引き返してしまった。
いちいち後悔していても一度に見られる数は限られて
いるのだからしょうがない。

大きな雨雲が近づいて来るのが誰の目からもわかった
のだが、主催がいつ決めたのか、
30分早めに全コンサートが終了してしまった。
ううむ、若干の不完全燃焼な気持ち
を残しながら会場を出ると、先日もいたハウリング・
ウルフ似の白人ブルースマンが今回はドラム、ベースの
トリオで演奏。フェスから帰る道すがらの大勢の観客と
共に大変盛り上がっていた。いいなあこの雰囲気。

いかん時間がなくなって来た。
続きはフェス最終日の今日が終わってからと
いたしましょう。

77.jpg 280×210

トリのサンタナのステージに迫る雨雲

[link:77] 2004年05月03日(月) 01:24


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