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日曜カメラマンの修行時代 from 栗原正己:2002-01-08


2002年01月08日(火)冬の角川アニメ超豪華4本立て

 年末年始は現像屋さんも休みになるのでつまらないね。撮った感触をおぼえているうちに出来てきたもの見て、喜んだりがっかりしたりしたいのに。デジカメはその点すごく便利だけど、その場で結果がわかりすぎる。写真が仕上がってくるまでのあのワクワクした気持ちが味わえないのは残念だ。手段の目的化、というのがフェティシズムだとすると、これってそれ。さておき、撮ったフィルムがたまってしまったので、ラボに持って行った。
 仕上がるまでの2時間、近くの映画館で「冬の角川アニメ超豪華4本立て」を観ることにした。去年劇音楽を作った「あずまんが大王」(TV放映に先がけての劇場公開)が目的だ。
 場所は新宿パラス2という映画館で、古めの建物がちょっとすてき。自然な壁の汚れとか、くすみ、なんかは新しく出来たテーマパークじゃ真似できないからな。客席はけっこう広く、アイマックスシアターの様な急な傾斜でスクリーンが見やすそうだ。ここはいいな。好きだ。入りは1/3くらいで、客層が極端に片寄っている(笑…自分も客席に座ることでその片寄りに加わっているわけだが)。
 最初がその作品だった。試写に行けなかったので完成品は初めて観た。何曲作ったか忘れたが(7〜10曲の間。各種テーマの発注を受け、汎用性の高い構成で1曲が2〜4分のものを作り、納品)、5分間ですべての曲が余白なしに少しづつ立続けに使われていた感じだ(作曲者としてはとてもありがたい)。今回はそれを追うだけで精一杯、あっと言う間に終わってしまった。中音域に音を集中させすぎたか…と思った以外客観的、主観的な意見はあと数回観ないと、または半年くらい経たないと言えないだろう。
 時間もあるので後の作品も観た。2本目は「デジキャラット/星の旅」(体感で15分)。3本目「スレイヤーズぷれみあむ」(同40分)。音楽を軸にしてぼんやりと観た。後者では服部隆之がフルオケできっちりとした仕事をしていて、スコアから余裕、貫禄すら感じられる。氏の仕事(面識はない)はオーソドックスな中にもちょっとした特徴があって、ぼくは「王様のレストラン」からこっち勝手に注目しているのだが、どれも素晴らしい。
 最後の「活動写真/サクラ大戦」(体感1時間35分)は、大ヒットしたゲームソフトを映画にしたものらしい。これは良かった。予備知識なしで来のだが、驚いたことに「キョロちゃん」の本郷みつる監督作品で、その守備範囲の広さにびっくり。やっぱ力あるなあ、参りました。
 スコアも適確。やはりフルオケスタイルだが、平面的な音なのでシンセに聴こえた。シンセでも書方が適切ならこれくらいの感じは出せるのだな、と思ったのだが、スタッフロールを見るとどうやら生のオケらしい。録音後に大幅に手を加えたのだろうか。オリジナリティーは感じないが、劇音楽としてはベストのかたちで、自分の理想でもある(何にでも応じられる筆力が欲しいものだ)。田中公平という方の仕事だが、さぞかし方面では名のある方なのではないか。

 写真ができてきた。ここのところずっと朝の東の空を撮っていたのだが、毎日雲もなく、濃紺から赤を通って黄色へのグラデーションが美しい(昨日は明け方天気が悪かったので撮らなかったが、このことは失敗だ)。富士山の回りも同じような朝焼けが出ているのか、気になって仕方ない。

57.jpg 512×352 (original size)

もう少し続く、富士副産物その4。湖畔に群生するアジサイのまわり。落ち葉に霜がおりて凍っていた。本当はもっと拡大したいのだけれど。

[link:57] 2002年01月09日(水) 11:15


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