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コマンドラインからこんにちは from 関島岳郎:2003-03-01


2003年03月01日(土)師匠の追悼演奏会

 貝島克彦追悼演奏会当日。そういえば、僕が録音だけ請け負うのは初めての体験だ。先輩の車に同乗して、朝9時に神奈川公会堂に入った。今回のコンサートは、企画も運営も貝島先生の弟子、つまりテューバ吹きか元テューバ吹き。演奏に参加する人も、裏方だけやる人もいるが、皆てきぱき働いている。こういうホールでの自主コンサートの時、クラシック畑の人の方がいろいろやるべきことがわかっている。どうも僕は、自主的なことをやる時でもライブハウスのようにシステム化された場に慣れてしまったので、今回のような時はあまり役に立たない。そこで録音関係の準備に専念する。今回の要は、DATとiBookを同時に回すこと。そのために設置スペースがやや広くなってしまった。11時頃からリハが始まり、試し録りしつつレベルを見る。しかし、難しい。演奏のダイナミックレンジが広いのだ。今回小さい編成はピアノ伴奏のテューバソロで、大きな編成はテューバ30人とユーフォニアム10人に打楽器3人が加わった編成。たとえば、曲によって最適レベルで録るのが普通だと思うが、オーケストラの曲などはppからffまでダイナミックレンジが広いわけで、コンサート全体をひとつのドキュメントと考えれば、コンサートのピークに合せて一定のレベルで録るという考え方もあるかもしれない。一応両方の考え方を視野に入れつつリハを録ってみるが、どうもレベルの余裕があるのに歪みっぽくなる。特に、左チャンネルがかなりひどい。ちょっと音量を上げるとすぐ歪む。これは何か物理的な原因があるのかもしれないと、機材を徹底検証するが、原因はわからなかった。どこのアウトにヘッドフォンを差しても同じなので、モニターで歪んでいる訳ではない。もちろん、ヘッドフォンも別のソングファイルを聞いて検証、問題無かった。そんなこんなでリハでじっくりレベルチェックができなかった。とりあえず、最大音量の曲のレベルだけは取ることができたが。そんなわけで、不安をいろいろかかえたまま、本番が始まった。前半はソロが多かったのだが、左チャンネルがどこで歪んでいるのかわからないので、かなり消極的なレベル設定。最大音量の曲のレベルより少し上げた程度。しかし、レベルメーターがあまりに動かないので、曲毎に徐々にレベルを上げていった。後半のアンサンブルは歪んでさえいなければ、まあまあ適正レベルだろう。コンサート終了後プレイバックしてみると、やはり左チャンネルが歪んでいる。うーん、どうしよう。後で何とかできるかなあ。コンサート後の打ち上げでは懐かしい顔に多数会った。

 家に帰って、録音してきたファイルを聞いてみると、やはり歪んでいる。ふと思いつき、ヘッドフォンを別のヘッドフォンに換えてみた。すると、こんどは大丈夫。なんだ、ヘッドフォンだったのか?試しに、今日持っていったヘッドフォンで、テューバアンサンブルの入ったCDを聞いてみる。む、テューバの帯域によって同じような歪みが左チャンネルに出る。どうやら、テューバやユーフォニアムに多く含まれるところの特定の帯域が多く入力されると歪むようだ。他の音源ではほとんどわからない。そうか、ヘッドフォンだったか。良かった。‥‥いや、良くない!実は、自宅でのリファレンスモニター用に買ったばかりのソニーのスタジオ用ヘッドフォンを持って行ったのだ。これは初期不良ではないか。ヘッドフォンがちゃんとしていれば、マイキングとか曲ごとのレベルとか、もっと追い込めたのに。早速返品だー。

[link:104] 2003年03月02日(日) 23:42


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