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楽譜は読みやすいに越したことはないと思うのだが、前に細野晴臣さんが著書の中で「ミュージシャンの想像力を喚起するために意図的に汚く譜面を書いている」ような意味の発言をしていた。確かに写譜屋さんの譜面はその通りに演奏しなければという気になるが、アレンジャーの手書きの譜面だと違うアイデアが湧いてきやすい気がする。菊地君の手書き譜は、そういう意味では成功しているだろう。右から左に行ったり、拍数が合っていなかったり、音符の位置や間隔がでたらめだったり、字が読みにくかったりするが、プレイヤーは、何とかこれを解読してやろうという気になる。もちろん、自分で書き直せば読みやすくなるのだが、そのまま読めないと何だかくやしいので、譜面を眺めている時間も長くなる。
もちろん、僕の書く楽譜もきれいではないが、こじんまりと汚い感じだ。意図的に汚く書くことは無いが、意図的にアーティキュレーションを書き込まないことは良くある。
人間の書いた汚い楽譜よりも読みにくいのは、シーケンスソフトで何も考えないで出力した楽譜だろう。少し手をかけると格段に読みやすくなるのだが、なぜ初期値だとあんなに読みにくいのだろう。やはり小節の長さとか拍の長さは一定の方が読みやすい。
さて、午後はシカラムータのリハ。明日の日本大学芸術学部でのライブに向けてのリハ。スタジオでリハをした後、日芸に移動して現地リハ。今回は川口君がゲストで、吉田さんと今回初めての夘木さんのツインドラム。しかし、日芸と聞いて江古田だとばかり思っていたら所沢校舎だそうで、西武新宿線航空公園駅からバスで15分走った、およそ大学があると思えない場所だった。大学というのは、街と共にあるイメージがあるのだけどなあ。