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[link:456] 2006年01月21日(土) 11:16
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昨日のコンサートの中身は大きくわけて「バシコルトスタンとその周辺の民謡」「口琴による描写音楽」「世界の音楽」「発明口琴のデモンストレーション」の4つの要素を織り交ぜて構成されていた。この中でびっくりしたのは「世界の音楽」で、たとえばラベルのボレロやビゼーのカルメン、果てはパガニーニや荒城の月、おもちゃのマーチまで演奏した。口琴をご存知の方ならわかると思うが、口琴は基音が常に鳴っていて、その上の自然倍音列が同時に鳴る楽器である。曲をやろうと思うと、どう頑張っても基音の調のダイアトニックスケールを盛大なドローン付きでかろうじて鳴らせるという程度にしか演奏できない。スタンダードな曲をソロでやるのは困難な楽器だろう。実際世界口琴十傑に入るローベルトさんの腕を持ってしても、その曲を知っていればかろうじて判別可能という程度で、チェブラーシカのゲーナの歌のようなマイナースケールの曲は曲を知っていても時々どこをやっているのかわからなるような演奏だった。しかし、ローバルトさんはまったく意に介せず次から次へといろいろな曲を演奏して、その例えて言えば伝言ゲームの最後の人のような状態が面白くて、意外と楽しめた。ローベルトさんのおおらかな人柄だろう。
バシコルスタンの国民的楽器のクライという笛も演奏していたが、特殊な奏法の笛で、吐く息の三分の一くらいしか音の形成に役立っていないような笛だった。こもって小さなかすれた音で、たぶんタンギングもできない。バシコルスタンの国民性に興味を持った。