2015年3月31日をもって、20年間活動を共にしてきた近藤研二が、栗コーダーカルテットを脱退することになりました。 栗コーダーカルテットはメンバーそれぞれが自分の活動をする中で同好会的に始まったバンドですが、ここ数年は多数のコンサートや録音に大忙しで、今や栗コーダーカルテットが各自のメインの表現の場になっています。バンドとしては大変ありがたい状況なのですが、他の個人活動との両立が次第に難しくなってきました。近年ますます活躍の場が広がり今が旬のミュージシャンとも言える近藤が、今後の人生の中での時間の使い方を考えて今回の決断をしたのは理解できるところです。 2015年4月1日以降は、栗原正己、川口義之、関島岳郎の3人で栗コーダーカルテットを名乗って活動していきます。形の変わった栗コーダーカルテットは、元々薄かった音がさらに足りなくなりますが、むしろそれを利用してより幅広い共演やコラボレーションをしていけたらと思います。さまざまなアーティストとの共演が多数決定していますので、どうぞご期待下さい。そして、サポートという形での近藤研二との共演は今後も予定されています。 1994年の7月になんとなくバンドを結成してから、20年あまりの月日が経ちました。 1993年、近藤が在籍していたハイポジのサポートメンバーとして栗原、川口、関島が顔を合わせます。栗原がリコーダーの魅力に目覚めたのもその頃です。ライブの音色のバリエーションとしてリコーダーを取り入れたり、それぞれの本業の楽器を離れてリコーダーを中心としたアレンジの曲をハイポジのレコーディングで試した事もありました。 そんなある日、とある打ち上げで「たま」の知久寿焼と関島、栗原、川口が同席した折に「リコーダーのカルテットをバックに知久君が歌うライブをやったら面白いんじゃないか」という話で盛り上がりました。もうひとりのリコーダーを誰にしようかというときに、関島が「近藤君は管楽器の経験はないけど、センスがあるから」と提案し、近藤を勧誘しました。カルテットの体裁が整い、そして猛練習の末に知久寿焼とのライブは成功に終わりました。 一回限りの企画ライブのために集まったつもりだったのが、リコーダーのアンサンブルが思いのほか面白くて盛り上がり、4人だけのライブもしてみようということになり、栗コーダーカルテットがバンドとして活動していくことになります。当初は結成したという意識すらなく、最初の数年は栗原を中心に、各自の活動の合間に季節毎のライブをするくらいののんびりペースでした。それまでの音楽キャリアも幸いしたのか、いろいろな方々からお誘いを受けて、テレビ番組やCMの音楽を作ったり、CDを出しましょうと声をかけて下さる方が現れたり、活動は良いペースで続いて行きます。 ある時期からこの課外活動的な集まりの、各自の音楽活動に占める比重が大きくなります。4人の合議制でバンドを運営し、皆で曲を書き、アレンジし、いつの間にか海外公演も含め年間100公演を超すペースで演奏活動を行うようになりました。気がつくと日常のテレビやラジオから自分たちの作った音楽が頻繁に流れている、そんな不思議を感じています。しかしながら近年はスケジュール調整が難しくなり、4人のメンバーが全員揃うことがままならず、素敵な音楽家達の力を借りて音楽フェスなどに参加する事もありました。 今後栗コーダーカルテットはさまざまな共演やコラボレーションをしながら、時には3人で演奏をするなど、幅広い活動形体を楽しんで行けたらと思います。結成20年にして、安定ではなく新しい音楽づくりへの一歩を踏み出すことになります。 そして、これまで栗コーダーカルテットの音を共に作ってきた近藤が、栗コーダーカルテットを離れてどんな音楽を生み出していくのか、僕らも楽しみにしています。2015年4月よりそれぞれの道を歩む栗コーダーカルテットと近藤研二を、どうか暖かく見守って下さい。 2015年3月31日 |
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